今年の3月末で約1年間した塾バイトを退職したので感想を書きます。
1. はじめたきっかけ
なぜ、個別指導塾でのアルバイトを始めたかというと、学部1年生のときから事務バイトとして働いていた塾が突如閉校したからである。閉校するよと聞かされてもまさか本部校が無くなるわけ…と思い、新しいバイトを探すことなんてしなかったが本当に閉校してしまった。
月2万円ほどの図書館バイトでは実家暮らしであっても足りず、求人アプリを駆使して見つけたのが個人経営の個別指導塾だった。
2. 面接へgo!!
タウンワークから応募するとすぐに返事が来て、面接の日が決まった。
履歴書を持ってくるようにとしか伝えられなかったし、求人アプリにも面接に関して詳しく書いていなかったから、すぐに終わることを期待して面接に行ったが、結果よく分からん読解テストと兵庫模試(数学)、共通テスト(数学1A2B)を解くはめになってしまった。
そりゃ塾講師バイトなのでテストを受けることは想定していたが2時間以上かかるなんて思わなかった。今は数学ができるといっても、受験数学なんて欠片も覚えていなかったし、兵庫模試(難易度高いらしい)も難しかった。3割も合ってないだろうなあと思いながら提出したが、丸を付けることもなく採用、来週〇曜日に来てねと言われた。あまりにもあっさり採用が決まってびっくりした。
どうやら理系募集中だったらしく、数学なら教えられると面接時に応えたのが功をなしたのか、それとも大学院生ってところで評価されたのか…
3. どんな塾だったか
その塾は、生徒1人か2人相手にホワイトボードで授業をしなければいけなかった。そのために、生徒1人あたり40分かけて授業計画書(ホワイトボードに何を書くかをまとめる)を書く必要があった。慣れてくると1枚あたり30分くらいですらすら書けるようになるのだが、最初の方は1時間くらいかかってほんとに面倒だった。(生徒の隣に座って茶々を入れる補習塾を想像していたので授業をするのは最初の誤算…。)
中学生や高1相手だと、基本2対1の授業を組まれる。片方の子に二次関数を教えもう片方の子に図形を教えるという形だ。中学生ならまだ何とかなるが、私がもっていた高1は私立と賢い公立の子だったから、片方は三角関数を教えながら片方は微積を教えるみたいな感じでマジでしんどかった。こんなにしんどくてももらえるコマ給は準備40分×2+授業時間80分で、今考えれば高校生を持つ場合はプラスアルファ欲しい。中学生を教えるときとコマ給は差別化してほしかったな。
その準備時間込みのコマ給だったので、コマ給だけなら他の塾と違って高給に見えたが時給になおすとそうでもないことに入ってから気づいた。しかもそれ以外の早く行く時間や引継ぎを残す時間にはお金はでなかった。
なので慣れてきた夏以降は、生徒には申し訳ないが、お金がもらえる準備40分~80分+授業時間80分ぶんしか時間を使いたくなかったので、授業計画書は中学生20分高校生30分と爆速で書き、余った時間だけ早く行って準備にあてるというスケジュールを確立した。本来計画書は塾で作らなければいけなかったが、M2なので忙しいというとその辺のルールは緩めてもらえた。更にもっと時間を短縮するために、計画書用の用紙を勝手にたくさん持ち帰り、空いてる時間に1か月分の授業計画を1日で準備したりもした(生徒1人ひとりに合わせた授業をするようにがポリシーの塾だったからこれも本当はダメだろう)。でもこれは早々にやめた。担当生徒の理解がそこまで早くなかったので(特に中学生は)、様子見様子見で準備をする方が生徒には合っていた。
4. 楽しかったこと嫌だったこと
生徒に教えている間は楽しかった。中学生レベルは教えててもつまらなかったけど、数2Bあたりは生徒と一緒に問題を考えたり、うまく答えに誘導するのに頭を使えて面白いなと思うことが多かった。特に高1から高2の男の子が(私的に)扱いやすかった(その、なに言ってもへこたれない、ああ言えばこう言う感じが...(笑))。なので、授業をすること自体に不満はなかった。(ただ、途中2~3か月ほんとに成績の悪い中学生を受け持ったことがある。宿題も1度もやってこず、一対一の授業でも寝るしでこちらにフラストレーションが溜まって、すごくイライラしたのを覚えている。)
私の場合、他の講師との関係は浅かった。他の講師は全員年下で大学1年~3年の子が多くて話しづらく、ここは割り切って誰とも仲良くしなくていいかなと思いバイトをしていた。一番遅く来て授業だけして、帰りも誰とも喋らず誰よりもはやくそそくさと帰っていた。飲み会等も明日早いんでと適当なことを言って1回も行かなかった。文字にしてみると、すごくヤな奴だ。(余談:普段私から他の講師に雑談をふることはなかったが、それでもニコニコ私に色々話しかけてくれる子がいてすごく可愛くていい子だなと思った。)
5. 辞めた理由
何でやめることにしたのかというと、一番大きいのはやっぱり準備が大変ってことだ。今考えたら、塾バイトをしていなければもっと自分の研究に時間を使えていただろうなとは思う。実際塾バイトを辞めた今は、研究のことしか考えなくてもよくなって、気持ち的にすごく楽だ。
また、バイト自体は夕方以降だとしても、バイトがある日の午前中からお昼ごろはあと何時間で塾に向かう...というようなことばかり考えていて気もそぞろだった。最終的に、生徒を7人~8人持っていたので週に5時間程度は準備に時間を使わないといけなかった。修論提出・審査や博士進学の試験などの自分のイベントが近づくほど、それが鬱陶しく感じた。
それから、他の講師が対応できなくなった生徒が回ってくるのも嫌だった。数学を教える講師は英語に比べて少なかったから、○○先生が何曜日無理になったから代わりに頼めないですか?となることが多かった。中学生の受験期になると過去問の解説なんかをしないといけなくなり、みんなもちろん志望校もレベルも違うためそれだけ準備が手間取る。
あとはこまごましたコト。当日、生徒が休んだ時はその分の給料はパーになる。早く帰れるのは嬉しいが、私の準備時間は給料が割り当ててもらえず宙ぶらりん状態だ。また私に予定が出来てバイトを休むとき、別の日に振替授業をしなければいけないが一日5人も持っていると、振り分けるだけでも一苦労。本来バイトがない日に塾に行かなければならない。それでも振り分けられない場合は他の講師や塾長に代わってもらうことになるが、正直借りをつくっているようなのが気に食わなかった。
こんな微々たるストレスがつもりにつもり、そんな時に奨学金がもらえることが分かり、辞めるに至った。辞めるのを伝えるときは緊張したが、あっさり円満退職することができた。
ま、お前の忍耐力がないからだと言われればそれまでなんだけどね。
他人から見ると、私の働いていた塾は塾バイトにしてはかなり柔軟で(身なりの制約がないし)良いバイト先のようだが、私の性格的には向いていなかったみたい。